「京都に行くなら、おいしいコーヒーも飲みたい」と思って調べ始めたら、止まらなくなってしまいました。京都って、お寺や伝統工芸のイメージが強いですが、実はコーヒー文化もかなり深い。古い町家を改装したカフェ、老舗メーカーが手がける洗練されたスペシャルティコーヒースタンド、観光地の絶景スポットに溶け込むコーヒーショップ……個性が豊かすぎて選ぶのが難しいくらいです。
この記事では、京都の「雰囲気のある」コーヒースタンド・カフェを8店厳選して紹介します。単においしいだけでなく、「京都に来たからこそ、ここで飲みたい」と思える空間にこだわった店を選びました。観光と組み合わせやすいエリア別の構成にしているので、旅の計画に合わせて参考にしてみてください。
地元の人が通う隠れ名店から、インバウンドにも大人気の世界的ブランドまで、幅広く紹介します。京都のコーヒーシーンは、東京とはまた違う落ち着いた奥深さがあって、調べていてとても面白かったです。
東山・祇園エリアのコーヒースタンド
清水寺・八坂神社へのルート上に、立ち寄れるコーヒースタンドがあります。観光の途中で「ちょっと一息」したいときに最高の選択肢です。
%Arabica 京都 東山
京都発の世界的スペシャルティコーヒーブランド「%Arabica(パーセント アラビカ)」の発祥の地が、この東山店です。白壁と木材を基調としたシンプルで洗練されたデザインは、「現代的な京都らしさ」の象徴とも言えます。世界30カ国以上に展開するブランドの「スタート地点」がここにある、というだけで訪れる価値があると思います。
豆はエチオピアに自社農場を持つほどこだわりがあり、クオリティは世界水準。スペシャルティコーヒーの中でも特にスッキリとした飲みやすさが特徴で、初めてスペシャルティコーヒーを試す人にも向いています。週末は行列ができることが多いとの口コミが多く、平日の午前中が比較的空いているようです。
東山エリアの石畳と白壁の景観に溶け込んだ外観も美しく、写真を撮りたくなる雰囲気。清水坂や二年坂の散策と組み合わせると、自然なルートになります。
WEEKENDERS COFFEE 富小路
2005年創業という京都スペシャルティコーヒーシーンの先駆けとも言える老舗です。京都市中京区の富小路通にある、もとは駐車場だった場所を活用した少し変わったロケーション。でも、その「いかにも」ではない場所にあることが、常連客に愛される秘密のような気がします。
オーナーがオーストラリアのコーヒー文化から影響を受けたこともあり、浅煎りのスペシャルティコーヒーを早くから取り入れてきました。季節によって仕入れる産地を変え、その時々の最もおいしい豆を提供するスタイル。「今日はどこの豆ですか?」とスタッフに聞きながら注文する常連客が多いと聞いて、そういうお店こそ信頼できると感じました。
観光客向けに全力でアピールするのではなく、京都の日常の中に自然に溶け込んでいる感じが好きです。地下鉄烏丸御池駅・阪急烏丸駅から徒歩圏内で、錦市場と組み合わせて回るのがおすすめです。
Kurasu Kyoto Stand
JR京都駅から徒歩5分という好アクセスにあるKurasu Kyoto Standは、立ち飲み・テイクアウト中心のスペシャルティコーヒースタンドです。カウンター4席とスタンディング数席のこじんまりしたスタイルですが、扱うコーヒーの品質は本格的。季節ごとに仕入れ産地を変えるスタイルで、常時4〜6種類のコーヒーから選べます。
京都駅周辺は観光客が多いエリアですが、このお店には地元の常連さんも多いようです。「駅近にこんな本格的なコーヒースタンドがある」という点で、旅行者にとっては京都上陸直後または帰りの電車前の一杯に最適なロケーションです。
嵐山・錦エリアのロケーション抜群店
嵐山と錦エリアは、コーヒーの質と観光地としての雰囲気が掛け合わさった店が揃っています。「景色とコーヒーを両方楽しむ」という使い方ができます。
%Arabica 京都 嵐山
%Arabicaの嵐山店は、桂川に架かる渡月橋を望む絶景スポットに立地する小規模なコーヒースタンドです。「行列必至」という評価が各メディアで一致しているように、特に週末は長い列ができます。それでも並ぶ人が多いのは、このロケーションで飲む一杯がそれだけ特別だから、ということだと思います。
嵐山竹林・天龍寺・渡月橋と続く観光ルートの中に自然に組み込めます。嵐山を歩いていると自然とたどり着くような場所にあり、川沿いの景色を眺めながら飲むコーヒーは格別だと口コミでも多く語られています。混雑を避けるなら開店直後が狙い目。
Café Bibliothic Hello!(二条城エリア)
二条城近くにある「Café Bibliothic Hello!」は、壁一面に本棚が並ぶインテリアが特徴的なカフェです。「ビブリオシック(Bibliothèque)」というフランス語由来の名前通り、本と珈琲が融合した空間。コーヒー以外にも洋書・雑誌に囲まれながらゆっくり過ごせる、京都らしい「時間を楽しむ」スタイルです。
スペシャルティコーヒー専門店というわけではありませんが、丁寧に淹れたコーヒーと落ち着いた空間の組み合わせは、「旅の途中に少しだけゆっくりしたい」というニーズにぴったり。二条城観光の後に立ち寄るコースが人気のようです。
伏見・七条エリアの個性派
少し足を伸ばして、伏見稲荷エリアと七条エリアに素敵な店があります。観光客が多い一方、地元の人も足繁く通うエリアです。
Vermillion(伏見稲荷エリア)
「Vermillion(バーミリオン)」という店名は、伏見稲荷大社の鳥居の朱色から取られています。伏見稲荷の参道近くにあるテラスカフェで、スペシャルティコーヒーとブランチメニューを提供しています。
テラス席からの景観が心地よく、朱色の鳥居が立ち並ぶ参道の雰囲気を感じながらコーヒーを飲める、という体験は京都ならではです。伏見稲荷参拝の前後に立ち寄るには最高のロケーション。稲荷山を歩いた後の一休みにも使えます。訪日外国人にも人気が高く、口コミでは外国語の評価も多く見られるお店です。
KAIKADO CAFÉ(開化堂カフェ)
1875年(明治8年)創業の老舗茶筒メーカー「開化堂」が手がけるカフェが、KAIKADO CAFÉです。国内外のセレクトショップでも販売される、職人が手作りする美しい茶筒で知られる開化堂が、自社の蔵を改装してオープンしたカフェ。
「なぜ茶筒メーカーがカフェを?」と思いますが、お茶やコーヒーを「最良の容器で、最良の状態で楽しむ」という精神は、カフェにもそのまま引き継がれています。スペシャルティコーヒーと季節の和菓子・洋菓子のペアリングを楽しめる独特のコンセプトは、他のどこにもない体験です。
待って、これ完全に私の好みなんですけど。老舗職人文化とスペシャルティコーヒーが交わる場所。こういう「深さのある店」が京都っぽい。京阪七条駅から徒歩圏内に位置しています。
地元に愛される老舗珈琲
現代のスペシャルティコーヒーブームとは別の軸で、長年京都市民に愛されてきた老舗珈琲店も紹介します。「京都のコーヒー文化」を語るうえで欠かせない存在です。
イノダコーヒ 本店(三条堺町)
1940年(昭和15年)創業という、日本のコーヒー文化の歴史そのものと言えるお店がイノダコーヒです。三条堺町の本店は、レトロな雰囲気の建物と、創業当時から守り続けるコーヒーへのこだわりで、旅行者にとっても「京都に来たらここに行く」定番スポット。
名物は「アラビアの真珠」というコーヒー。砂糖とミルクがあらかじめ入った状態で出てくるスタイルが伝統的な提供方法です。「いや、ブラックで飲みたい」という人も、「その文化を体験しに行く」という気持ちで訪れると面白い。スペシャルティコーヒーとは異なる「昭和コーヒー文化」を追体験できます。
朝から営業しているので、ホテルを出てすぐに京都の朝をイノダで始める、という旅の使い方も素敵です。休日は行列になることも。三条〜四条エリアの観光と組み合わせやすい立地です。明治・大正時代の建築スタイルを残すレトロな内装で、現代のカフェとはまた違う「時間の流れ方」がある。そこが好きです。
エリア別まとめと観光動線
8店を振り返ると、エリアごとに観光ルートと組み合わせやすいことがわかります。東山・祇園エリアなら%Arabica東山とWEEKENDERS COFFEE。嵐山なら%Arabica嵐山。二条城エリアならCafé Bibliothic Hello!。伏見・七条エリアならVermillionとKAIKADO CAFÉ。そして市内どこからでも行きやすい中心部にKurasu Kyoto Standとイノダコーヒがあるイメージです。
「1日で何店か巡りたい」という人は、ランチ前に%Arabica東山→移動して午後にKAIKADO CAFÉ→夕方に伏見稲荷でVermillionというルートが時間的にも楽しいです。1日で3店は現実的にこなせる組み合わせです。
京都の公共交通機関はバスが充実しており、市バス一日乗車券を使えばエリアをまたいで移動しやすい。各エリアのメインの観光地を回りながら、立ち寄りのコーヒースタンドを地図に入れておくと、旅行全体のテンポが上がります。
京都のコーヒースタンド・カフェの選び方ガイド
8店を紹介しましたが、初めての京都でどれを優先するか迷う人のために、目的別に整理しました。
「スペシャルティコーヒーを本気で飲みたい」人向け
WEEKENDERS COFFEE 富小路かKurasu Kyoto Standがおすすめです。どちらも豆のクオリティへのこだわりが強く、スペシャルティコーヒーを真剣に追求しているお店です。%Arabicaも品質は高いですが、人気ブランドとしての安定性重視。WEEKENDERS COFFEEは「地元のコーヒー好きが通う店」の雰囲気がより強いです。
「京都らしい雰囲気とコーヒーを両立したい」人向け
KAIKADO CAFÉが一番のおすすめです。老舗茶筒メーカーが手がけるカフェという背景ストーリー、蔵を改装した空間、スペシャルティコーヒーと和菓子のペアリング——「京都に来たから体験できる特別感」が最も凝縮されています。
「観光の合間にサクッと飲みたい」人向け
%Arabica東山か%Arabica嵐山が最も使いやすいです。観光ルート上に自然にあり、テイクアウトで歩きながら飲めるスタイルも可能。行列さえ乗り越えれば(平日なら比較的スムーズです)、観光の流れを止めずに本格コーヒーが飲めます。
もし朝に京都駅に着いたなら、Kurasu Kyoto Standで一杯飲んでから観光をスタートするのもおすすめです。駅から5分という近さと、スペシャルティコーヒーの本格的な一杯は、「京都旅行のいい始まり」になります。旅の最後の一杯をここで締めくくるのも、記念になる使い方です。
京都のコーヒースタンドの多くはテイクアウト対応で、まち歩きしながら飲めるカップスタイルが主流。%Arabica嵐山の桂川沿いや、KAIKADO CAFÉ前の七条エリアは、コーヒーを持ちながら散歩するのに向いています。
まとめ
京都の雰囲気のあるコーヒースタンド・カフェ8選を紹介しました。東山の%Arabica、嵐山の渡月橋ビュー、老舗の町家を活かしたWEEKENDERS COFFEEやKAIKADO CAFÉ……調べれば調べるほど、京都のコーヒーシーンは一日では回りきれないほど奥が深いと感じました。
選ぶポイントをおさらいすると、「スペシャルティコーヒーの品質重視か雰囲気重視か」「観光動線に組み込めるエリアか」の2点で絞ると選びやすくなります。
個人的に一番気になっているのはKAIKADO CAFÉです。老舗職人が手がけるカフェという「ストーリー付きのコーヒー体験」は、京都ならではのもの。次の京都旅行では絶対に行きたいと思っています。旅の計画を立てるとき、ぜひ参考にしてみてください。

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